理論 |
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最新技術を使った鍼施術
木下晴都は、神経が刺激されて筋肉を収縮させることが、痛みの悪循環を生み出す原因だという理論を主張し、2寸半(75㎜)の鍼を60mm刺入する「傍神経刺」を開発しました。つまり「痛む→筋肉が縮まる→発痛物質ができる→神経を刺激→筋肉が縮む」という、痛みの悪循環理論です。これは鍼灸古典の「気血が流れなければ痛む。流れれば痛まない」という文句と近い考えです。
木下氏は、その悪循環を断ち切るために、神経を刺激すれば良いと考えました。そこで坐骨神経痛に対して神経根の傍らに刺鍼するのですが、それはブロック注射と非常に似た考えでした。それを「傍神経刺」と呼びました。それは坐骨神経痛の治療に、70%以上が治癒するという効果を挙げました。
北京堂浅野周は鍼灸古典の「気血が流れなければ痛む。流れれば痛まない」という言葉を、酸素や血液が流れれば痛まないと解釈し、血管を圧迫している筋肉へ刺鍼して筋肉を緩めれば、筋肉に締め付けられていた血管に酸素と血液が流れ込み、筋肉による神経の締め付けもなくなって、痛まなくなるのではないかと考えました。
そこで2寸半(75mm)、3寸(90mm)鍼を使って、神経根より奥にある大腰筋へ刺入しました。すると、さらに坐骨神経痛に対する治癒率が高まって、90%近くになりました。これは神経にアプローチではなく、筋肉にアプローチしているので、「傍神経刺」とは別物です。そこで大腰筋刺鍼と命名しました。
なぜ神経に刺さないのに、筋肉へ留鍼しただけで治癒率が上がったのでしょうか?
筋肉へ留鍼すると血流が増えることは、刺鍼前に水槽の水に腕を入れて印を付け、刺鍼したあとに水へ腕を入れると、刺鍼前より水位が上がることから、刺鍼前に比較して腕の体積が増していることが証明されました。
なぜ腕の体積が増えたのかというと、腕に流れる血流量が増えたからです。この時の腕をサーモグラフで視ると、温度が上昇していますが、それは腕に流れる血流が増えたためで、体温が伝わって温度が上昇したと考えられます。
では、なぜ血流量が増えたのでしょうか?
それは、血管を締め付けている筋肉が緩んだため、血管の抵抗がなくなって、血液がスムーズに流れるようになったからだと考えられています。
つまり筋肉が緩めば、その周囲の血流が快復し、栄養と酸素が供給されるようになるため組織が回復し、神経の締め付けもなくなって痛みが消えるのです。これは古典の「気血が通じなければ痛み、通じれば痛まない」と同じ理論です。古代の治療理論を現在でもそのまま使っているのは、鍼灸ぐらいでしょう。辶は行くことを表し、疒は病を示しています。通も痛も、甬という文字が使われていますが、それは管という意味です。身体の管とは血管なので、その管が通じたり、塞がれたりして発病することが、この言葉にも現れています。
さらに朱漢章は、過剰な運動などによって筋膜が傷つくと、剥き出しになった筋肉が付近の組織と癒着して、本来の運動範囲が制限されてしまうため、その限界で神経が引っ張られて痛むという理論を展開しました。彼はその癒着を剥がすために小鍼刀という鍼を発明しました。
この鍼は、痛みや可動域制限に絶大な効果を発揮したため、朱漢章の理論が正しかったと認められました。これは癒着や骨増殖が痛みを起こすとした理論ですが、朱漢章は1993年頃に『小鍼刀療法』という本の中で発表し、現在の中医学科では一門を成して、正式な教科になっています。北京堂では、そうした最新理論も取り入れています。
高維濱は、球麻痺の治療に、項鍼療法を使い始めました。それは1988年頃の『鍼灸絶招』という書物に記載されていました。球麻痺は危険部位で手術も出来ず、頭鍼も効果がなかったので、球麻痺が治癒するということは画期的なことでした。北京堂でも球麻痺患者に試し、嚥下障害が治癒しました。その後に彼は認められ、1995年頃に『鍼灸三絶』という書を出し、夾脊鍼と項鍼を使った治療を推奨しました。項鍼は球麻痺、夾脊鍼は自律神経失調症などを治療します。
様々な人によって改良が加えられた頭鍼療法も、現在は対刺、斉刺、揚刺、井字形刺、接力刺など、刺鍼方法も新しくなって、脳卒中による半身不随の治療に、さらに効果を発揮できるようになっています。
このように北京堂では、筋肉を緩めて神経の絞扼痛を消すことを中心に、朱漢章理論に基づいて癒着を解消したり、夾脊鍼によって内臓疾患や自律神経失調症を治療し、項鍼によって嚥下障害を施術したり脳障害を施術する頭鍼を併用するだけでなく、平頭火鍼によってホクロやソバカスを消すなど、最新の中国の施術法を実践しています。
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