北京堂とは |
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北京堂は、浅野周先生が島根で始めた鍼灸院です。
ツボや経絡に対して施術をしていた時代に、鍼のターゲット器官として、筋肉に着目しました。筋肉に刺鍼し、神経や血管の絞扼を解消する施術を確立しました。
中でも、深部の筋肉である大腰筋に刺鍼をするやり方は、後の鍼灸業界に大きな衝撃を与えました。今まで届かせることができなかったインナーマッスルに、安全に刺鍼する方法を考案しました。
島根にとどまらず、東京、神奈川、兵庫、京都など、各地で弟子を養成し、浅野先生と同じ施術をできる鍼灸院を作りました。遠方からいらっしゃる患者様のことを考え、できるだけ近い所で、効果の高い施術を受けられるようにとの思いで、全国に鍼灸院を増やしています。
ホームページ
今では、会社に限らず、飲食店、鍼灸院、整骨院など、自社のホームページを持っているのが当たり前です。
しかし、北京堂は、企業や会社でもHPを持っていなかったときに、自分でHPを作成しました。
その内容が斬新だった!
一子相伝のような鍼灸の施術方法。通常、施術の仕方を外部の人に教えることはありません。教えるとしたら弟子や従業員にのみです。それも、時間をかけ10年、20年をかけて教えるのが当たり前です。寿司職人や伝統工芸の職人と同じです。
しかし、北京堂浅野周は、鍼灸施術の基本となる。腰痛、肩こり、坐骨神経痛、膝痛、五十肩などの施術方法を、ホームページに公開しました。
浅野先生曰く
「腰痛すら治せない鍼灸師がいるのに危機感を覚えたんよ。このままでは、鍼灸全体のイメージが悪くなり、鍼灸で腰痛が治らないと思われたら大変なことになる。
だから、これを見て腰痛を治せる鍼灸師が増えて、鍼灸自体のイメージが上がり、腰痛になったら鍼灸を選択してもらえうるようになればと思って公開したんよ。
だから、あれは鍼灸師向けに書いたものなんよ。」
実際、浅野先生のHPを見て私も勉強しました。一般の方がみると難しいと思いますが、鍼灸師から見れば、目から鱗なことが沢山掲載されています。
弟子制度
しかし、時代とともにそういった制度は少なくなっていきます。労働基準法や生活スタイルの変化など、様々な要因があると思います。
そんな中、浅野先生は
・マンツーマンでの指導
・鍼施術に触れる機会を増やす
・実際の臨床をみる
これにこだわりました。
・ 安全で確実な施術
・効果の出せる施術の伝授
・短期間での習得
これらを実現しました。
現在は、弟子をとるスタイルをやめて、広く見学者を受け入れるようにしています。外弟子、見学者などを含めると数えられなくなりました。私が面識のない先生もいらっしゃいます。
そのため、様々な先生が北京堂式の治療法を臨床で取り入れています。
一番弟子である神戸二天堂鍼灸院の中野先生は、「 炎の鍼灸師養成講座 」を主宰し、後進の指導にあたっています。私も直弟子になる前に講座を受講しています。10年以上続く人気の講座になっています。
また、北陸では、炎の鍼灸師養成講座を修了された東川先生が「 東洋医学錬成塾 」を立ち上げ、北陸方面の鍼灸の普及に尽力されています。
鍼灸院の譲渡
しかし、浅野先生は、鍼灸院が繁盛して患者様が沢山ついてくると、それを弟子に譲りました。
通常では考えられませんが、私もそうでした。先生は翻訳家でもあるので、臨床が忙しくなりすぎると、中国鍼灸書の翻訳ができなくなるので、そのようにして新たに鍼灸院を立ち上げて患者の少ない間に翻訳活動をされています。
鍼灸師は、臨床経験を積みたくても、なかなか積むことができない現状があります。
免許を取り立ての鍼灸師は、鍼施術ができても、学校で習得した施術法では経験も少ないので、患者様を満足させることはなかなかできません。師の後につき経験を積み、少しづつ研修を重ねることで、ようやく効果の高い施術をすることができます。
また、一般的には鍼灸整骨院や整形外科、リハビリ施設、リラクゼーションサロンなどに勤めて、鍼灸だけでなく、マッサージやリハビリなどをすることが多いため、独立して鍼灸院を構えるのに、かなりの時間を要するのが現状でした。
しかし、北京堂では短期間で基本的な症状に対する施術をマスターするので、大幅に時間が短縮できます。
それにより、すぐに臨床にでることが可能になります。
実際、引き継ぐのは大変なことです。同じ施術ができるといっても、臨床経験が全然違います。目には見えない、微妙な鍼の操作、深さや角度、手ごたえ、これらから最適な施術を行いますから、差があるのは当然です。
引き継いだ当初は、試行錯誤の毎日です。当然、患者様は浅野先生の施術と比べます。
・響きや感触
・治療効果
・スピード
・痛さ
・刺激量
全てが比較されます。毎日が何で?何で?どうする?どうやる?の繰り返しです。
しかし、これが自分自身のスキルアップに繋がり、患者様の接し方、経営や一人でやっていくノウハウを身に付けていくことになります。これはすごく贅沢なことです。開業したての鍼灸院にはなかなか患者様がつきません。時間がかかります。金銭的にも大変です。経験の少ない鍼灸師だと、もっと大変です。
それが、初めから沢山の患者様の施術をすることができ、経験を積むことができるのですから、有り難いことです。もちろんそれを引き受けてくれる患者さんには感謝でしかありません。
鍼灸院選び
これだけ治療院が多いと、患者様はどの治療院を選べばいいかわかりません。
どこにいけばいいのか?治るの?大丈夫?
大手飲食チェーン店は、同じ味、同じサービスをどの店舗でも提供する。どの土地でも同じ名前のお店にいけば、同じ味を食べることができます。
鍼灸院でも、それと同じようにできないかと浅野周は考えました。
全国どこでも同じ施術、同じサービスを受けることができる。患者さんの立場からしてもわかりやすいですからね。自分の家の近くの北京堂を探せばいいわけです。
チェーン店との違い
同じ味、同じ商品、同じサービス。チェーン店としては当たり前です。しかし、北京堂は微妙に違います。
・先生の人柄や性格
・培ってきた感性
・人生経験
・鍼灸や医療施設での経験
・コミュニケーション能力
・鍼灸に対する情熱
・様々なバックグラウンド
色々なことが反映されます。同じ施術をしても、患者さんの感じ方は様々です。優しい鍼をうつ先生もいれば、ダイレクトに響く厳しい鍼をうつ先生もいます。
コミュニケーション方法、接し方、受け答え、様々です。また、施術所の雰囲気も様々で、北京堂で統一されているわけではありません。そういった様々なことで鍼灸の施術は変わってきますので、先生それぞれのカラーがでます。ホームページを見比べていただくとわかりやすいと思います。
それはすごく良いことだと思うのです。施術方法は一緒なのに、感じ方が違う。結構新鮮です。浅野先生の施術と中野先生の施術は違います。目指しているところは一緒なのに違う。面白いですよ。
全く独立しているということ
経営や名義、FC料などなく、個人個人完全に独立しています。
通常ですと本部からの指令や縛りがあり、自分のやりたいことができなかったり、FC料をもっていかれたり、不満になることも多いかもしれません。北京堂にはそういったことがないので、それぞれ自由にできます。
そのため、施術料金が違ったり、施術時間が違ったり、定休日が違ったり、各自にゆだねられています。
しかし、その分自分で何とかしないといけません。苦しいときに助けてくれるわけではありません。当たり前かもしれませんが、苦しいときでも自分で何とかしないといけない。それが、各自を成長させるわけです。
店舗は潰さない
鍼灸院の移転は自由です。しかし、もとの場所の店舗の閉鎖はしてはいけないことになっています。なぜか。
通っていただいている患者様が困るから
これに尽きます。その鍼灸院に通っている患者様は、やっと見つけた、近所でメンテナンスに利用している、北京堂の効果を実感されて通っているなど様々です。その鍼灸院がなくなると、改めて鍼灸院を探さなくてはなりません。
自分のカラダのことを、全部わかってもらっている鍼灸院に、改めて出会うことは大変です。症状を説明し直したり、性格をわかってもらったり、時間と労力を費やします。
自分にあった施術方法と巡り合うのにも時間がかかります。そういった迷惑が患者様にかからないように、移転の際には北京堂の施術ができる、代わりの先生を必ずたてるという決まりになっています。
患者目線、患者第一というのが北京堂です。