産婦人科(妊娠中のケア、逆子、骨盤位) |
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症例3
女性 30代 医師 2017年6月
7月後半に出産予定。お腹が大きくなってきているのと、一人目のお子さんの抱っこで、腰部、背部に疲れや痛みがでてきている。
主訴
腰痛
その他症状
肩こり
既往歴
帝王切開。
所見
特になし。
ツボ、筋肉
最長筋、板状筋、多裂筋、大腰筋。
考察
大きくなったお腹を支えるので、腰や背部はいつも以上に緊張しています。その状態で仕事や家事、子育てをこなさないといけないのですから、母体にかかる負担は相当なものです。マッサージをしていたが、ほぐれる部分もあるがほぐれない部分もあるとおっしゃっていました。
ぐいぐいマッサージができなかったり、強くマッサージができないので、すっきりしないことも多いかもしれません。普段の施術と同じで届かない所にアプローチできるメリットが鍼灸にはあります。
出来る範囲の深さ、刺激量で少しでも楽な状態をキープしていただけたらと思っています。うつ伏せで施術できるクッションも用意していますので、妊娠中でも安心して施術ができます。
症例2
女性 30代 デスクワーク 2017年5月
妊娠8か月。1か月前くらいから、右臀部痛がひどくなり、腰仙部全体が痛くなる。4歳になるお子様がいる。
主訴
腰痛
その他症状
肩こり
既往歴
バセドウ病。
所見
長時間の同姿勢がつらい。
固いところで寝ると、痛みで起き上がれない。
下肢に痛み・神経症状なし
動作痛なし(お腹が大きいので、もともと腰を曲げたり、反る動作はつらい)
歩行問題なし
ツボ、筋肉
多裂筋、大腰筋、中殿筋、小殿筋。
考察
お一人目のお子様の時は、年齢が若かった、マタニティヨガをして運動をしていたので、腰痛はなかった。お一人目のお子様のこ育てや家事、仕事というように、日々の生活に追われているので、ご自身のケアをできない状況でした。そこに、二人目の妊娠が加わり、腰部や臀部への負担が一気にかかり痛みがでてきたのではないでしょうか。
右の臀部の痛みですが、お腹の赤ちゃんのいる位置やご自身のカラダの使い方によって、どうしても偏りが出てきます。よく骨盤の歪みといいますが、骨盤の歪みというのは結果であって原因ではないと考えています。妊娠したから歪むわけではなく、日ごろの偏り、体の使い方、姿勢など、日ごろの積み重ねが結果として出たのではないかと考えられます。
当院では、偏りや歪みをチェックしますが、歪みをとるという点に着目するわけでなく、偏って使っている筋肉の緊張を取る。その結果で歪みが矯正されると考えます。
症例1
女性 30代 主婦 2017年5月初診
6月後半に出産予定。2か月前の健診で逆子(骨盤位)になっていることがわかる。
一人目の妊娠時も逆子を経験。鍼灸院でお灸をやり、正常位に戻った経験がある。
主訴
逆子(骨盤位
その他症状
肩こり、腋窩のこり、足のむくみ
既往歴
特になし。
所見
エコー検査にて、単臀位といわれる。
目視でも、左上腹部のふくらみを確認できる。
胎動あまりない。
下肢に冷えの自覚はなし
睡眠-眠りが浅い
ツボ、筋肉
百会、合谷、足三里、三陰交、侠谿、至陰、天柱、胃兪、膏肓、腰部夾脊。
考察
逆子(骨盤位)の原因は、双子妊娠、未熟児、子宮筋腫や子宮変形などでみられると言われるが、原因不明の場合も多い。近年では、冷えやストレスなど影響すると言われるが定かではない。
今回の症例でも、目立った異常というのはみられない。寝不足や疲れ、ストレスなどを訴えてらっしゃたことだけでなく、引っ越しをされて環境が変わったことも影響しているのではないかと考えられます。一人目の出産時も逆子の施灸で改善したので、今回は気を許していたとおっしゃっていました。
逆子には、至陰穴といわれ、鍼灸院での施灸だけでなく、自宅でご自身でせんねん灸も広く知られようになっています。至陰穴の施灸だけでなく、お母さんのコンデイションを整えることを第一に考えました。リラックスしてもらう、体の緊張を取る、筋肉の疲労をとる、寝やすくなるように副交感神経が優位になるよう刺激を加えました。
施術後の「なんかスッキリしました。」という言葉が印象的でした。疲労や緊張、ストレスが加わり、張り詰めた状態になっていたことが、お腹の赤ちゃんに影響していたのかもしれません。
数週間後、再来院された際に逆子が正常に戻ったという報告をいただきました。また胎動も増え、お腹の赤ちゃんも元気とのことです。
出産に向けて、いい状態をキープできるようサポートしたいと思っています。