大阪吹田-江坂駅の鍼灸院/腰痛・ぎっくり腰・坐骨神経痛・肩こり・頭痛・五十肩・胃下垂・難聴・耳鳴り

慢性疼痛

症例2

30代 男性 東大阪市 2018年1月 初診
 
1年前に左大腿部後面に炎症性の粉瘤(脂肪の塊といわれますが、脂肪ではなく良性の腫瘍のこと)ができ切除するが、再発を繰り返し10回ほど切除を行う。
 
7月くらいから、肛門周囲の痛みが始まり、ボルタレン座薬も変化なし。整形外科受診MRI検査で腰椎の問題はないと言われ、整骨院受診も変化なし。このころから、左の臀部に痛みやしびれを感じるようになる。
 
9月に肛門周囲膿腫を切除、その際に肛門周囲の痛みや臀部の痛みは「陰部神経痛」と診断を受ける。単純痔ろうがあるが、現在の痛みとの因果関係はみられないとのこと。
 
その後AKAや整骨院での施術を受けるも、変化は見られず当院を受診。

主訴

左臀部痛(仙腸関節付近、坐骨神経付近、坐骨結節付近)、肛門周辺の痛み、左踵の痛み・しびれが軽度。日によって症状の出る場所は違うが、常に坐骨結節付近のだるさは有り。

その他症状

右臀部や坐骨結節内側に痛みが出ることがある。

既往歴

上記以外特になし。

所見

ケンプテスト、SLRテスト、ブラガードテスト、Kボンネットテスト、上前腸骨棘の圧迫、上後腸骨棘の圧痛など、特に所見はなし。
 
座位(あぐらが楽、長時間座位がつらい)
寝位特に問題なし
起床直後、臀部症状が増す
骨盤が後傾している
柔軟性がなく全般に固い
クッションのある椅子が楽
 

ツボ、筋肉

大腰筋、外旋六筋。八髎穴、陰部神経パルス

治療

1回目の治療、大腰筋、外旋六筋に刺鍼。症状が再現できるように、圧痛部位も刺鍼。
2回目の治療は、中殿筋、小殿筋、多裂筋刺鍼を追加。
3回目の治療、仙骨の刺鍼で仙骨神経叢を刺激、陰部神経に刺鍼、パルス刺激を加え、肛門周辺の症状に刺激を加える。
5回目の治療、側臥位で腸骨筋の刺鍼を追加。大腿部後面の張りが気になるとのことで、そちらの刺鍼も追加。
7回目の治療後、座位時の坐骨周辺の痛みに変化が見られず、以降は来院されていない。
 

考察

足の症状、肛門周囲の痛みはなくなるが、一番気になる坐骨結節周辺の痛みに変化はみられなかった。
 
骨盤を後傾して座っていることが多く、腰椎、骨盤の姿勢を維持する腸腰筋の筋力低下、緊張が考えられたので、それら筋肉を緩める、或いは姿勢維持で使えるように、姿勢の指導などを行う。
 
どの座位姿勢も違和感があり、常に坐骨結節周囲の症状が気になる状態である。
粉瘤の除去、再発を繰り返していたことや、様々な医療機関で症状に変化がみられていなかったこと、原因がはっきりとしていないことなど、陰部神経だけでなく坐骨神経痛症状や、その他の筋肉の緊張などから、すぐに変化のみられるものではないと思っていました。とはいうものの、もう少し早く症状に変化が出せなかったのが悔やまれる症例です。
 
長期に痛みがあると、何件の病院を受診していたり、整骨院や整体、様々な治療を受けていることが多いです。そういった場合、原因がわからない、先生によって違う病名をつけられるということもあり、肉体的だけでなく精神的にも負担になっています。
 
そういった場合、症状に変化が出にくくなります。ある程度、明確な治療プランを伝えられれば違っていたかもしれませんが、大きな変化が出ていなかったので、治療途中で終了となりました。
 
参考までに、関連ページを下にリンクしておきます。
痔と疑われ、陰部神経痛だったということは多くあるようです。
下の記事にもあるように、医師も肛門周囲のツボに鍼をして電気を流す治療を行っています。
LinkIcon 陰部神経痛に関する記事
LinkIcon 会陰痛を主訴とする仙骨神経障害の病態の解明にむけて
LinkIcon パルス高周波法によるブロックが有効であった陰部神経痛の1例
 
 
 

 

症例1 

40代 女性 主婦 富山県 2017年5月受診
 
6年前に交通事故に遭い、左腰部や左臀部に痛みが出る。それ以降、左半身に痛みが出て、同じ姿勢がつらくなる。

主訴

腰部、臀部、大腿外側、脛、足首外側に違和感。

その他症状

頸部、背部、上腕部、前腕部の痛み。

既往歴

喘息、腱鞘炎。

所見

レントゲン、MRI等の検査による異常はみられない。
Kボンネットテスト、SLRテスト、ケンプテストなど、問題なし。
可動域は問題なし。
日常生活支障なし。
肩上部、肩甲間部、肘部、腰部、臀部、鼠蹊部、膝関節周辺、前脛部、左足外踝下部の圧痛。
 

ツボ、筋肉

背部夾脊穴、四神聡。脊柱起立筋、大腰筋、中殿筋、梨状筋、内転筋、ハムストリングス、腓腹筋、前脛骨筋、長母指伸筋。

治療

全身の緊張を解くことを重点に治療。6年前の交通事故の後遺症です。
 
現在の痛みが、肉体的な痛みだけではないこと、様々な要因から慢性疼痛になっていることの説明をさせていただきました。

考察

交通事故は、自損事故を除けば、加害者と被害者がいます。日常生活で突然被害者になるため、肉体的なショックだけでなく、精神的なショックも加わります。
 
自損事故と相手があっての事故を比べた場合、同じ頸部の捻挫でも、症状の回復度合いに差が出ることがほとんどです。
 
相手がいる事故のほうが、痛みが長引きます。
 
 
同じ痛みでも、自損事故の場合は、割り切れるのです。こんなものかと思えます。ある程度緩和してくると、気にならなくなってきます。
 
一方、相手が会っての事故の場合、加害者によって痛めた、加害者によって痛めたから、こんなにしんどい、何でこんなつらい思いをしないといけないんだ。この事故がなければと思います。症状が緩和しても、完全になくならないと、その意識が強くなり、いつまでも痛みを引きずります。
その痛みをかばっていて他の場所が痛くなってきた場合、事故によるものだ、事故が原因でここにも痛みが出ているとなります。そうなると、痛みから解放されなくなること多くみられます。
 
今回の症例、痛みの発端となった事故の状況を聞くと、症状が重症化するような事情が垣間みれます。
交差点にさしかかり、左から車が来たので停止する。しばらく停止して、相手が出てこないということで、直進する。すると、その瞬間に相手も直進して、左側から当られる。
 
その際、左足で急ブレーキを踏みこむが間に合わなかった。とおっしゃっていました。
 
直後に相手と話、警察を呼ぶが、相手が不親切?変な人?対応がおかしかったそうです。その後、救急で病院に行くが、MRIなどの検査で痛みの中長時間同じ姿勢になり、痛みが悪化したとおっしゃっていました。
 
・事故のショック
・相手へのショック
・医療関係者への不信感
 
これらが合わさり、痛みが慢性化した可能性があります。左足首の違和感も左足で急ブレーキをした時によるものと考えられます。
 
通常の痛みは6年もの間、痛みを出すことはありません。検査で異常もみられない痛みが、ここまで長引くのには理由があります。精神的なもので片付けられるものでもありません。
 
このような痛みを慢性疼痛といいます。長期間痛みを感じる、つらさを感じていると、交感神経が興奮して血管が収縮します。そうすると、筋肉の血流状態が悪くなり、固くなります。固くなっていると、脳から痛みの物質を多く出すので、痛みを強く感じるようになります。
また、痛みを感じていると、感情的にマイナスの方向へ向いてしまします。痛みにばかり意識がフォーカスされるため、楽しんだり、幸せと思ったり、リラックスしたり、わくわくしたりという、プラスの方向へ向かなくなります。
 
マイナスの方向へ向いている時というのは、脳からいい分泌物が分泌されません。痛みの物質、鬱になるような物質など、いいことはありません。
 
しかし、プラスの方向へ向いているときは、脳から体にいい影響を与える分泌物が沢山分泌されます。痛みを抑制するもの、血流をよくするもの、リラックスさせるもの、免疫が活発とするものなどです。人間は、体を修復する力や、疲労を取る力、痛みを取る力が備わっています。そういったものが働かない状態では、運動をしようにも、外出しようにも、旅行に行こうにも、映画に観にいこうにも、痛みが、痛みが、しんどくなる、しんどくなるという意識が働き悪循環に陥ります。そのため、プラスの循環に持っていくことができなくなります。
 
一旦、慢性疼痛に陥ると、そういった意識も働くため、治療をしても効果がみられないことが多くあります。
 

ポイント1! ”痛みのコントロール”

痛みがあっては、全てがうまくいかないので、まずは痛みのない時間、少ない時間を経験していただくことが重要です。当たり前のことですが、これが難しい。薬が効かなかったり、注射が効かなかったり、マッサージが効かなかったり、整体が効かなかったり、鍼灸が効かなかったり…。
それでも少しでも和らぐものを、どんどんとやってもらい、脳で体で、いい状態はこういうものだというのを経験したもらいます。痛みよりも、いい状態を長くいれるようにしていただきます。

ポイント2! ”痛みのメカニズムを知る”

ただ、痛みの治療をやっているだけでは、いい状態にもっていけません。辛さ、痛みの矛先は医療者や医療関係者に向くこともあります。ちゃんと治療してくれないから苦労している、わかってくれない。親身になってくれない。そういった感情にもなります。
痛みは、感情や思考、ストレスなどと大きく関係しています。同じ痛みであったとしても、怒りが加わった時、ストレスが加わったときの方が痛みは強くなります。
 
痛みがある間は、なかなかプラスの方向に向くことはありませんが、同じ痛み悩む人たちの掲示板やブログなどで、痛みをわかってもらえる人を見つける。適切な治療を行ってくれる医療者に出会って、自身の痛みや、体の状態を理解してもらう。それだけでも、随分と違います。

ポイント3! ”セルフケアを行う”

受け身、受け身だとなかなかプラスの方向へとは向きません。痛みは、感情や思考に左右されるため、ついつい何かのせいにしたくなりますし、自分から積極的には動けなくなります。どうせ痛くなる。やっても無駄だ。マイナスの方向へ向いてしまいます。
 
例えば、自分から体を動かす、体操をする、ウォーキングをする、半身浴をする、ヨガをする。
 
こういったことをやると、脳の意識が痛みにフォーカスされなくなります。プラスの分泌物が沢山出てきます。少しでも痛みを忘れる、いい状態を体験する。ちょっとした積み重ねが重要になってきます。さらに自分から動くということが、体や脳にとって何よりプラスになります。
痛みに限ったことではありません。例えば勉強、嫌々やっていても理解はしにくいですし、すぐに忘れてしまいます。自分で進んでやって、調べて、わからないことは試行錯誤すると、しぜんと覚えることができますし、成績も伸びてきます。
運動でもそうです。無理からやらされて、練習の意味を理解しないままやっていても、上達
しません。
 
セルフケアの考え方、やり方などをわかりやすくまとめたものがありますので、下のPDFをご覧になって参考にしてください。非常に役に立ちます。


 
 


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